水久保文明(JCJ会員 元毎日新聞労組書記 千代田区労協事務局次長) パッシング

09/07/09

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 

                パッシング

 水久保文明(JCJ会員 元毎日新聞労組書記 千代田区労協事務局次長)

 


 過日、国道158号線を走りました。この国道、福井県福井市から岐阜県高山市を経て、長野県松本市までの3県にまたがって250kmあり、山間部を走っています。いつもは上高地へ行くために松本ICからこの国道に乗りますが、今回は全く反対の福井県側から岐阜県側に向って走っていました。通称、美濃街道と言われるこのあたり、九頭竜湖(くずりゅうこ)に沿っており新緑が綺麗で快適でした。

 この道はカーブも多く、運転には気を遣います。が、地元の人たちでしょうかスピードを出しています。おいおい、と思いたくなるほどの速さで追い越されます。途中、少し下り気味に差しかかったところで、反対側から来る車がしきりにパッシング(ライトの点滅)してきました。それも1台だけでなく、すれ違った5台のうち3台も。

 理由は即座に思い当たりました。スピード違反の「ネズミ捕り」を教えてくれていたのです。パッシングを受けたその場所は、下りの直線になっておりスピードが出てしまうところです。制限速度50キロのこの道、私の車は70キロを出していました。あわててブレーキを踏んだのはいうまでもありません。

 すると、後ろから来た車が�もっと早く行け�とばかりに煽ってきたではありませんか。先に行かせて捕まらせようかな、とも思ったのですがパッシングしてくれた対向車に申し訳ないと思いそのままゆっくり走りました。予想は的中し、複数の警官が立っている「ネズミ捕り」の現場を通過したとたん、後ろの車も気づいたのでしょう、私よりもスピードを落とし車間は広がりました。(次回につづく)

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パッシングでネズミ捕りを教えてくれた対向車に感謝です。恐らく「お上」のやり方に怒っている人たちだったのでしょう。「ネズミ捕りに気をつけろ」というこのメッセージ、庶民のささやかな抵抗でもあります。このように車のライトを点けることで相手に何かを知らせるこの方法、なかなかおしゃれです。どういうときに使うか、少し整理してみましょう。

 パッシングは何かを伝えたいときに使いますが、それは今回のように「危険告知」がほとんどです。さらに右折する対向車に、「お先にどうぞ」というときにもよく使います。譲ってもらったとき、私はパッシングでお礼をすることにしています。高速道路の追い越し車線でみかけることがありますが、「早く行け」もしくは「走行車線に戻れ」という合図にも使います。低速度で追い越し車線を走るのはルール違反ですが、これはちょっとイヤですね。

 対向車への合図は前のライトでいいのですが、後の車への合図はハザードランプを使います。道を譲ってもらったときは、「ありがとう」の意味が込められます。後から来る車があり自分の車が止まるときも、ハザードランプを点けたほうが親切ですし安全です。特に、高速道路の渋滞に入るときは絶対に必要です。

 トンネル内のライトは面倒でも点けるべきです。トンネル内のそれは、自分のためではなく相手に自分の存在を教えるためのものだからです。無灯火の車に私もヒヤリとしたことがあります。そのとき相手の車は慌ててライトを点けました。自転車のライトを点けるのも、自分の進行方向を見えやすくするだけでなく、車や人に自分の存在を知らせるためでもあります。これも危険告知の一種でしょう。

 車のパッシングを考えてきましたが、角度を変えて見てみると、いま、この国全体がパッシングされているような気がします。「海賊法」制定の動きといい、憲法改悪手続き法といい、歴史の逆戻りの危険告知・パッシングをされているように思うのは私だけでしょうか。

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