水久保文明(JCJ会員 元毎日新聞労組書記 千代田区労協事務局次長)画期的な二つの判断 10/04/01
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「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/
母の手術などがあり時間的に切迫し、1週間ほどブログを休んでしまいました。手術の詳細は、この場で改めてご報告させていただきたいと思っています。89歳になる高齢者の手術は大きな負担があったであろうことは想像に難くありません。がんばった母にハナマルですが、手術をしなければならなかったことに忸怩たる思いも否定できません。それはそれとして――。
先週の3月26日に札幌と福岡の両地方裁判所で、特筆すべき判断が示されました。札幌地裁は、「新北海道じん肺」の判決、福岡地裁は「B型肝炎訴訟」に対する和解勧告がそれです。双方に共通するのは『生きているうちに救済を』という、原告らの悲痛の叫びに真摯に応えたことです。
札幌地裁に提訴された新北海道じん肺の〝争点〟は時効問題でした。この裁判は国に対する損害賠償を請求したもので、国側は時効(3年)を理由に責任はないと主張していました。この問題について裁判所は時効の起算点について、「原告らが被告に損害賠償請求が可能だと認識した時点」が相当である、と判じたのです。
この判決は当然の判断だと思います。民間人どうし(であっても個人的には時効は不要だと思うが)の争いならいざしらず、国に対する損害賠償に関する訴訟で「時効」が存在すること自体がおかしいと思うからです。行政が時効をタテに逃げられるとしたら、「やったもの勝ち」になってしまうではありませんか。時効は政治の無責任さを助長することになりかねず、これは廃止すべき対象です。
最近、殺人事件について時効をなくすべきだという議論があります。私はこの意見に賛成です。殺人を犯し、一定の時期逃げおおせれば〝無罪〟になるというこのシステム、やはり変です。「殺し得」を許さないためにも時効は撤廃すべきです。その延長線に、地方も含めた行政に対する損害賠償に対する時効も撤廃すべきだと思います。
福岡地裁のB型肝炎訴訟の和解勧告も画期的でした。そもそもB型肝炎訴訟は2006年に最高裁が国の責任を認定し、判例としても確立されているものです。にもかかわらず国は損賠請求をしりぞけ、裁判になっているのです。(次回につづく)
★脈絡のないきょうの一行
朝青龍のいなくなった大相撲、人気が復活しつつあるのでは。いいことだ。
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B型肝炎訴訟は、幼児期の集団予防接種で注射器の使いまわしを原因として肝炎に罹った人たちが起こした訴訟です。一方、C型肝炎は輸血(血液製剤)によってウィルス感染したことによって起きます。罹病した人のなかには亡くなった(九州訴訟で4人、全国で9人)人も少なくなく、深刻な事態となっており国の早期救済が求められています。その一環として昨年11月に「肝炎対策基本法」が成立しました。
にもかかわらず国は被害者を放置したままです。何のための法律だったのか、疑問は募ります。財源が救済を遅らせる理由とも言われていますが、この問題は法律に沿って国が被害者に償うという当たり前のことを求めているだけです。交通事故に言い換えれば、当て逃げした犯人が被害者に補償することを拒むという現象と同じで、許されない事態です。
B型肝炎訴訟は全国で419人が提訴しているといいます。おそらくこれは今後も増えるでしょう。私の友人の息子はC型ですが、訴訟には加わっていません。「人に知られたくない」ということが最大の理由のようですが、このような人はたくさんいると思うからです。日本ではC型肝炎のウィルス保持者は推定で150万人( Wikipedia)とも言われているそうで、実態は深刻です。
その患者を救済するために、福岡地裁は和解勧告を出したのです。この勧告は肝炎患者への「早期救済」を促すもので、国は真摯に受け止めるべきです。「いのちあるうちの救済」は、じん肺患者も同じことでいのちの問題として、国は対応すべきです。
同じ日に札幌と東京の裁判所が被災者救済の判断を示しました。これは決して偶然ではなく、普天間基地問題をはじめマニフェストに違背するような政策を打ち出している民主党政権への、司法からの「鳩山内閣、なんとかしろ」というメッセージではないのか、そんな気がしてなりません。
★脈絡のないきょうの一行
国公法堀越事件、東京高裁で逆転無罪。旧態依然の法律にもムチ。当たり前だが遅すぎる。