水久保文明(JCJ会員 元毎日新聞労組書記 千代田区労協事務局次長) 目くそ、鼻くそと同居09/07/0 3

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 

           目くそ、鼻くそと同居

 

水久保文明(JCJ会員 元毎日新聞労組書記 千代田区労協事務局次長)

 

 「目くそ、鼻くそを笑う」という言葉があります。「自分の欠点には気がつかないで、他人の欠点をあざ笑うことのたとえ。また、あざ笑う者も、笑われる者もたいした違いはないというたとえ」(広辞苑)ということだそうです。今回のケースは、「目くそ、鼻くそと同居」というところでしょうか。

 東国原英夫宮崎県知事が自民党からの中央政界進出の要請に対して、条件付きで受ける方向を示しました。きょうの毎日新聞は、(自民党が)「入閣で調整」と1面トップで取り上げています。笑っちゃいます。いや、ホントウは笑えないほど深刻なくらい、この人たちは政治を玩具(おもちゃ)にしています。国民を愚弄するにも程度があるというものです。自民党の政権末期症状は理解できますが、そこまでやるのかい、と不愉快を通り越して怒りすら湧き上がってきます。

 前知事の汚職問題を発端にした出直し宮崎県知事選挙は、07年1月に行われ、「そのまんま東」こと東国原英夫候補が、お笑いの知名度を生かし当選しました。2年ちょっと前のことです。「どがんかせんといかん」という宮崎弁は一つのブームをつくり、新知事は〝広告塔〟として活躍してきました。どがんかせんといかん、のはその知事の頭の中です。

 知事選挙では26万6000票という、他の候補を圧倒して東国原候補が勝利しました。宮崎県をなんとか立て直してほしい、という県民の願いが込められた期待票でもありました。しかし中央政界に進出するということは、宮崎県民の期待を裏切ることになります。知事になって2年半、この人がやったことは何だったのでしょうか。テレビに出まくり、単に宮崎県の宣伝をした、それだけだったのではないでしょうか。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
景気は底を打った、と、政府が発表したとたん、失業率が悪化し求人倍率は最低に。これ何?


 06年の11月初旬だったでしょうか、スポニチ九州の知り合いの記者から電話をもらいました。「水久保さんやりました。スポニチがトップを切りました」という興奮気味のそれでした。何事かと尋ねてみましたら、そのまんま東こと、東国原英夫氏が宮崎県知事選挙に出馬することを彼が書き、新聞では最初の報道になったというのです。

 当時、週刊誌の一部で「出馬するのでは」という憶測報道がありました。が、新聞社はそのほとんどが無視したのです。そこで件のスポニチの記者は取材を始めて、紙面化したのです。その経過は企業秘密でここでは書けませんが、当初は週刊誌のことだからと全国紙も地方紙もどうやら冷ややかだったようです。しかしスポニチが報道したとたんにそれが動き出し、全国紙が後追いすることになり、あっという間に新知事が誕生したのです。

 宮崎県出身とはいえ、東京で活動しているお笑いタレントが県知事選挙に立候補するなど、メディアは冗談だと思っていたようです。不意を衝かれた形で立候補が決まり、メディア、とくにテレビは興味本位に報道しました。一方、宮崎県民は政治不信一色に染まっており、それこそ、どがんかせんといかん、という思いでした。そこに素人ともいえるタレントが帰郷して立候補した訳ですから、期待が膨らんだのは当然でした。そして翌年1月、43%の高得票率を得て、東国原英夫知事が誕生したのです。

 東京都知事、宮崎県知事、大阪府知事、千葉県知事はすべてタレント出身。何故、国民はタレント候補に投票するのでしょうか。その原因は長年自民党によって作られてきた、国民不在の政治による政治不信に原因があると断言できます。「とにかく何とかしてくれ」という思いが、知名度の高いタレントへと流れてしまうのです。

 つまり、「政治不信」という病原菌は、立候補者や政党の政策に目を向かせるのではなく、名前が売れているタレントに向かわせ、メディアの助長もあって「何とかしてくれるのではないか」という根拠のない期待感にすり替えられてしまうのです。その意味では、政治不信という病原菌は自民党にとって有利な存在といえそうです。そしてこの病原菌、人工的につくられ、人工的に培養されています。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
最近は、個人献金ではなく故人献金って書くんだってね。へー、面白いね。

 

 根拠のない期待感、これはどこから生まれるのでしょうか。知名度と報道の「量」にあるように思います。メディア、とくにテレビはタレントが立候補するとそれを追いかけ、無原則的にたれ流します。幸いに当選しませんでしたが、ホリエモンが衆院選挙に立候補したときのことを思い浮かべてください。否応なしに立候補者のカオをテレビで見せられる有権者は、政策を知るまえにその候補者が何かやってくれるのではないか、と錯覚してしまうのです。それが投票行動となって現われる、そんな図式なのではないでしょうか。その意味では、タレントを追いかけ映し出すだけのテレビの責任は大なるものがある、私はそう考えます。

 東国原英夫知事は、政治不信という病原菌を利用して知事になったと言えます。したがって、実はご本人自身も「菌」にまみれた、まんまなのです。だから、自民党からのお誘いに(宮崎県民そっちのけで)、お平然に、お乗ろうとなさっているのです。彼にとって、県知事と自民党総裁(選挙)に境界はなく、同じものに見えているのです(目も悪いのかも)。

 それにつけてもタレント知事の応援を得なければならないという、自民党の政権末期症状は極まった、という感じです。これはまた、自力再生が不可能な事態に陥っていることの証明でもあります。かろうじて、「東国原大臣」の誕生は踏みとどまったようですが、形容詞に苦労するほどの度し難い事態です。

 さて、自民党よどうする。東国原英夫知事よどうする——。救いようのない両者はまさに、目くそと鼻くそが同居した状態です。ときあたかもきょうは東京都議会議員選挙の告示日。自民党と同じように石原都政与党の民主党が何を狂ったか、都議選で「政権交代」を叫んでいることに、日本語を正しく使ってほしいと違和感を捨てきれないものの、12日の投票日が待ち遠しい私です。そのあとの「遅くない時期」の総選挙は、自民党に逆「戦後政治の総決算」を突きつけることになるだろう、の予感があり、もっと楽しみです。

★脈絡のないきょうの一行
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