水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)『憂』-普天間基地の辺野古移転問題 12/01/11

 

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 昨年末、政府は米軍・普天間基地を辺野古に移転するための「環境評価書」を、県民に阻止され届けることを一旦は断念したものの、今度は夜陰に乗じて沖縄県庁に運び込みました。子どもじみた姑息な方法ですが同県庁は、今年に入ってやむなくこれを受理せざるを得ない事態となっています。

 「海外、少なくとも県外」という方針は民主党の公約だったはずです。一時期、徳之島案が浮上するなど混乱しましたが、アメリカからの圧力と、それを後押しする政界・財界によって「海外、少なくとも県外」は死語化され、現在にいたっています。この約束が反故になったため鳩山内閣が退陣せざるをえなくなったのは、記憶に新しいところです。

 いや、モノの考え方としては逆だったのかもしれません。つまり、普天間基地の代替地は沖縄でなくてはならなかった。だから内閣総理大臣のクビを代えてでも、強行しなければならなかった理由があったのではないでしょうか。つい最近、それを証明するかのような出来事がありました。

 先週のことです。6日の沖縄タイムスを紹介しましょう。「オバマ米大統領は5日午前(日本時間6日未明)、国防総省でパネッタ国防長官ら米軍幹部とともに国防戦略見直しの結果を発表した。オバマ大統領がアジア太平洋を『最優先』とする戦略を打ち出したことも踏まえ、同地域を重視。南シナ海を中国の勢力圏にさせないための戦力を維持する一方、中東と朝鮮半島での二つの大規模紛争に同時に対処、勝利する『二正面作戦』への態勢は継続しない。国防費の大幅削減を受け、陸軍と海兵隊の兵力をさらに削減する。」――としています。

 これは全国紙でも報道していますが、発表のなかにもう一つ重要な問題がありました。「中国の台頭への脅威」が入っていたことです。アメリカは明らかに軍事面で中国を意識しているのです。だとしたら普天間の代替地は、中国から至近距離にある沖縄でなければならないのは絶対条件となります。

 アメリカが考える中国の脅威に対抗するために、〝何が何でも辺野古〟をゴリ押しする日本政府の意図がある、と断じていいのではないでしょうか。同時にアメリカは国防費を削減し、南シナ海全域の〝防衛〟を日本に肩代わりさせる、そういう図式も見えてきます。

 もう一つ注目したい米軍の動きがあります。そのことを日経新聞が昨年の12月4日付で詳しく報道していますが、米軍はアフガン、イラクから撤収したあと、世界のエネルギー資源の半数近くが通過するインド洋、マラッカ海峡、南シナ海周辺に再配置するというのです。それゆえに、アメリカがインドとミャンマーに接近していることは知られているとおりです。

 その米軍の新しい戦略に、「辺野古」が組み込まれようとしているのです。これは軍事面からの『憂』です。

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