水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)「陸山会」事件判決を考える 11/09/28

 

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 26日午後、東京地裁で小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入資金をめぐる政治資金規正法違反事件の判決が言い渡され、元秘書ら3人に執行猶予つきですが、有罪判決が下されました。この判決はこれから始まる小沢一郎氏の裁判に大きく影響することは必至で、氏の責任が鋭く問われることになります。紙数の関係で事件の内容は省きますが、以下、この判決を考えてみました。

 この判決に対する27日の新聞各紙の社説をみてみましょう。「判決で注目されるのは、公共事業を巡る小沢事務所とゼネコンとの癒着を認定し、小沢氏の“金権手法”を浮き彫りにした点だ。」(読売新聞)、「何よりもゼネコンとの癒着が認定された点は大きい。」(東京新聞)。「ゼネコンとの癒着こそ両事件の本質だと判決は切り込んでいる。」(毎日新聞)--と、ゼネコンとの癒着問題を強調しています。

 めずらしく各社が一致しており、面白い。これは小沢一郎氏とゼネコンの癒着は、ある意味公然の秘密となっていることの表れでもあります。はからずも「政治とカネ=ゼネコンとの癒着」という構図を判決は示した格好になりました。その意味において私は、この判決は当然だと考えます。

 その論調の延長線になるのでしょうか、朝日新聞の社説は見出しに『小沢一郎氏の責任は明白だ』と立てて、同氏の政治責任を追及しています。「小沢氏の責任も極めて重い。刑事責任の有無は氏自身の公判の行方を見る必要があるが、政治的責任は免れない。」と断じています。さらに「私たちは社説で、こうした氏の姿勢を批判し、古い政治との決別を図るため、政界引退を迫ったこともある。判決を受け、その感はいよいよ深い。」とも述べ、政治家としての氏の姿勢を断罪しました。

 小沢氏への批判とともに、各紙社説は検察の捜査段階の取り調べのあり方を批判しています。「…検察にも反省すべき点は多い。捜査段階の調書の多くは、威迫と利益誘導を織り交ぜながら作られたとして証拠採用されなかった。」(朝日新聞)、「検察側が証拠請求した被告の供述調書の多くを、地裁は『取り調べで検察官による供述の誘導があった』として採用しなかった。」(読売新聞)、などがそれです。

 えん罪防止のために取調べの可視化が問題にされている昨今、裁判所がこの問題に触れたことは意味があると思います。もう一つ(裁判所は触れていませんが)取調べのあり方と同時に、検察が小沢氏を起訴できなかったことを忘れる訳にはいきません。来月から始まる小沢氏の裁判は、検察審査会の決定によるもので検察抜きの裁判となります。今回の判決同様に有罪となれば、検察の面目丸つぶれとなります。さて、どうするのでしょうか。

 国会ではこの判決をめぐって証人喚問の是非が議論されています。小沢氏の元秘書で現在は衆議院議員の石川知裕被告の、議員辞職問題も浮上しています。野田首相は小沢氏の裁判が始まることを理由に応えようとしていません。しかし司法はあくまでも司法であり、立法府としてこの問題にどう対応するのかということとは別問題です。その意味において私も、関係者の証人喚問は行うべきだと思います。

★脈絡のないきょうの一行
被災3県で、地域を特定したものの雇用保険の90日の支給再延長。当然の措置だ。