水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局次長 元毎日新聞労組書記)山がらみあれこれ閑話(4)「15」の倍数 11/06/10
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「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/
「60度殺菌」とか「90度殺菌」という言葉を聞いたことがおありでしょう。これは牛乳でよく使われますが、牛乳の温度を60度や90度にすることによって細菌を消滅させる方法です。では何故、60度や90度なのか。これはたまたまそうなったのではなく、きちんとした科学的裏づけがあるのです。もちろんこれ以上の温度であれば殺菌はできますが、味が落ちます。
随分昔のことで出典を示し切れないのが残念なのですが、「動植物はほとんどの場合、15度の倍数の温度で死に至る」というものを読んだことがあります。たとえば一番身近な「ヒト」を例にとってみましょう。36度前後がほとんどの場合が平熱です。私はどうも低体温らしく、普段は35度前後です。36度になるとかなり弱り、37度になると動くことが困難になります。
38度になると節々が痛くなり、思考力が衰えます。40度はもうメルトダウンで、動くことすら出来なくなり、呼吸困難に陥ります(なったことがあります)。仮にこのまま体温が上昇し45度になると、ヒトは死に至るといいます。逆に低体温の場合、15の倍数の30度になると危険だといいます。
※注・メルトダウンで思い出しましたが、6月という早い段階で恐縮ですが、今年の流行語はこの『メルトダウン』ではないでしょうか。対抗馬に『想定外』があります。そして、今年の一文字は『波』になると思います。当たるかなー(そんなことはどうでもイイ)。
本題に戻ります。花や植物も同じように、春先に15度を超えると花が咲き始めますし、気温が45度になるとほとんどが死に絶えます。ところがそれでも生き延びるつわものがいますが、さすがに60度になるとほとんどの植物がダウンします。60度を超える砂漠地帯に植物がないのはそのためです。同じように、動物もそのほとんどが15度の倍数を基点に生きています。暑さに強い者でも、さすがに90度になれば生きていられないようです。
最近読んだ本の中に「富士山大量遭難死」というものが出てきました。1972年(昭和47年)3月20日のことです。この遭難は、2つのパーティーの中の11人と7人が凍死、さらに別のパーティーの1人が凍死、雪崩に巻き込まれた別の5人の合計24人が命を落としています。この日は春一番が来て、その暴風雨が吹き荒れる中で起きたものでした。(次回につづく)
★脈絡のないきょうの一行
被災地では避難者の生活物資が相変わらず不足しているという。義援金は何に使っているんだ?
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この「富士山大量遭難死」事件のことを少しおさらいしてみましょう。1972年3月の春分の日が入った連休を利用して、多くの山岳会が冬山訓練を兼ねて富士山に入っていました。ところが、低気圧が接近し暴風雨(雪)が吹き荒れたのです。気圧は994㍊と台風並みで、風は山麓で30㍍から35㍍を記録しています。ということは、高所では50㍍以上になっていたということで、春一番とはいえ、厳しいものがありました。
3月とあって完全な冬山装備をしていないパーティーもあったようです。それが、テントが吹き飛ばされたあと、無人小屋にとどまることが出来なかった原因ともなっています。加えて、横なぐりの雪は「ホワイトアウト」を起こし、下山路が分からなくなるという悲劇を生んでいます。私は北海道で経験がありますが、ホワイトアウトは方向すら分からなくなる恐ろしいものです。
登山者は寒さだけでなく、強風によっても体温を奪われ「低体温症」になっていったようです。「そういう状況下では、どんな人でも、体内温度が30度で意識もうろう、27度で死亡するといわれる」(山岳遭難の教訓・出海栄三)。寒さと強風が重なり19人が疲労凍死し、南からの暖かい風により雪が緩んで発生した雪崩に5人が巻き込まれ死亡したのです。
この事件、2009年7月に北海道トムラウシ山で起きた遭難と似ています。9人の死亡者を出したこの事件は、その後も検証活動が行われていますが、低体温によるものであったことが明らかになっています。
ヒトの体温は、45度を超えたり30度を下回ると危険な状態になります。山に登っていて気をつける必要があるのは低体温対策です。その対策の一つがインナーウェア(下着)ですが、72年の富士山遭難の頃、純毛製のそれはかなり普及しており、それを身に着けていた人も少なからずいたものの、効果はさほどなかったようです。寒さも一定の限界を越えると、着ているものに関係なく低体温を起こすことがあることの実例でしょう。
それにつけても、「15」という数字と、動植物の「生」が深くかかわっていることは面白いことです。自然にはこういう目立たない〝法則〟があり、それが全体として集積されてこの地球を支えているのかもしれません。環境破壊はその法則が破られることによって引き起こされているのではないでしょうか。
★脈絡のないきょうの一行
昨日、制御室が停電で3時間も機能不全に。おいおい、福島第一原発だいじょうぶかー。