水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局次長 元毎日新聞労組書記)ファッショは芽のうちに摘め 11/06/06

 

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 2日の内閣不信任案の採決問題につづいて、3日にも世界の笑いものとなる出来事が起きました。大阪府で「君が代」をうたうときに教師に対して、強制的に起立させる条例案が成立したのがそれです。信じられないこの暴挙、提案した府知事の名前やそれを支持した会派の名前を書くのも不愉快になります。

 この暴挙、二つの重大問題を含んでいます。一つは言うまでもなく、「こころの自由」が脅かされる憲法違反であること。そしてもう一つは、まともな審議もなく短期間で条例を成立させ、議会制民主主義を蹂躙したことです。

 以前、アホな将棋指しが天皇に「君が代を徹底させています」と〝進言〟したとき、『強制はいけません』と言われ話題になったことがあります。やんごとなき人も、君が代は強制すべきことではないことを認識しています。何故か。かの人は平成天皇としての就任あいさつで、「憲法を守る」ことを宣言したからです。それは、憲法99条(憲法尊重擁護義務)を理解しているからです。

 大阪府で3日に行われた「君が代強制起立」の強行採決は、こころの自由を侵害することに加えて99条にも違反する、ダブル違反です。なぜ憲法違反なのかは紙数の関係で省きますが、憲法を土足で踏みにじったこの暴挙、断じてゆるされません。そして、もう一つの問題である条例成立の過程も、度し難い反民主主義的なものでした。

 条例案成立の経緯を若干追ってみますと、知事がこの条例作成を議会与党に指示したのが5月上旬。成案を議長に提出したのが5月25日。この議案を審議する大阪府の「教育常任委員会」の審議は1日だけで、6月3日に本会議で採決するという、超スピードでした。しかも、「(大阪府)の中西正人教育長は答弁で『条例化は必要ない』と異例の反論を展開し、他会派も継続審議を求めた」(6月4日、毎日新聞)――というおまけがついています。

 何をかいわんや、というのが率直なところです。憲法に抵触するこんな重要な問題を、委員会で1日だけしか審議せず、しかも内部からの批判をも封じ込めて強引に採決したのです。「数の暴力」そのものです。こういう手順で採決されたものは無効にする法律をつくるべきです。

 さらに問題なのは、この後のことです。なんと、大阪府知事は起立しなかった教師を免職できるような条例をつくろうとしているというではありませんか。ここまで行けばこれはもうファッショです。ファッショは芽のうちに摘み取らなければ、国民に甚大な被害をもたらします。いま大事なことは大震災被災者支援もさることながら、大阪府民の激励が急がれていると言えます。

★脈絡のないきょうの一行
大連立のきな臭い動きが強まっている。大政翼賛会の再来を許してはならない。