池田龍夫/ジャーナリスト・元毎日新聞記者/高速増殖炉「もんじゅ」撤退は当然 14/09/29

                高速増殖炉「もんじゅ」撤退は当然

                        池田 龍夫 ( ジャーナリスト ・元毎日新聞)

 最近の報道によると、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運用を見直す集中審議期間を来年3月末までの半年間延長することになった。
  重要な機器の点検漏れが相次いでおり、日本原子力研究開発機構が、将来的には停止命令を出すのではないかと、推測されている。
  「もんじゅ」は普通の原子炉よりも「高速」の中性子を使って、燃料のプルトニウムを増殖させる装置。しかし他国でもうまく機能せず、米・英・独は開発計画を中止している。仏は研究を続けており、日本もまだ未練を持っているようだ。
  「もんじゅ」だけでもこれまで1兆円以上使っており、今も1日5500万円もの経費を要する。「六カ所村」に至っては、その何倍もの費用がかかっているという。見通しが全く立たない「核燃サイクル」は破綻していることは明らか。脱原発へ向け、政策転換を急ぐべきである。
  (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。