<随想>2012年1月1日
大乱の相・辰年2012年
阿部敏勝(JCJ・マスコミ9条の会・会員)
Ⅰ、2012年解散、総選挙必至
2012年の幕が開きました、今月後半からは通常国会です。震災復興、原発事故処理、社会保障改革、財政再建、選挙制度改革、日米安保条約新次元、TPP、憲法改正等々難問が山積しており見通しは立ちません。その原因は与党意思の不統一、人材不足、野田首相のリーダーシップ不在、不毛な野党の対応にあります。野田内閣の不支持率は発足以来僅か100日で新記録の43%に達しました。(2011、12,12朝日新聞)
Ⅱ、2012年「新帝国主義時代」到来か
(ここでひとつ問題提示させて戴きます。)
2011年12月17日附読売新聞所載の京都大学佐伯啓思教授の説によりますと「自由が広がれば価値観が多様化し対立が深まる、自由貿易についても原発についても財政健全化についても国論は割れ、不平や閉塞感が出る、そこから生まれるのが独裁であり、今のヨーロッパも数年後には民主主義が修正されるという見方がある。
国家債務危機で財政規律を守れない国を制裁するユーロ圏の合意もその萌芽ではないか、戦後体制の見直しは避けられない。日本も20年前までは「平和憲法+経済成長追求」でやってこれたが冷戦終結後は新興国が台頭し、各国が自分の利益を追求しはじめた。プーチンのロシアが巨大な力を持ち、欧州各国が覇権を競う20世紀前半のような「新帝国主義」の時代が来る。
国際的な力関係は経済力と軍事力で決まる(わが国も)憲法を改正し、軍事力を増強するという選択肢がないわけではない、戦闘機の調達も外国製を買わず自前で開発すれば経済効果が出てデフレなど一挙に解消する」とのこと、いやはや恐れ入った御高説ですがこれは単なる仮説でしょうか。
Ⅲ、2012年、日米軍事同盟の新次元とTPP
原発問題や社会保障改革などの国内問題に穏れて、ここのところ議論が少なくなっていますがアメリカの新海外戦略とこれに基づく日本の「新防衛計画大綱(昨年12月制定)そしてTPPは日米共同による軍事的、経済的「中国封じ込め作戦」です。今年は太平洋戦争開戦から70周年、あの時は米国、中国の同盟対日本の争いでした。時代の節目を感ぜざるを得ません。これと併行して憲法9条廃止を含む国会の憲法審査会が11/17の衆院に続いて11/28に参院で会合を開き、民主党の江田五月氏(元参議院議長)が「憲法も時代の要請によって成熟してゆくべきだ」と挨拶しました。かの大戦の犠牲と苦難を一体どう考えているのでしょうか、戦後の日本を誤らせた原発問題ひとつとっても政治家、官公庁、電力会社、安全委員会その他の関係者の無責任、無節操は目に余ります。今の日本は言うなれば第2の敗戦期、徹底した原因究明と責任追求が必要です。それなくして日本の再生は有り得ないと思います。今の統治システムも変えなければなりません。
参考資料(是非ご一読下さい)
(1)日本中枢の崩壊(古賀茂明)‘11/5 講談社
(2)日本が破綻する日(小黒一正)‘11/8 日本経済新聞社
(3)政治の未来図(宇野重規他)‘11/11 朝日新聞
(4)月刊、中央公論別冊(日本敗北の本質)‘11/11 中央公論新社
(5)月刊、世界(原発全面停止の道他)‘12/1 岩波書店
(以上)