仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(99)

ドラマ「半沢直樹」と参院選 13/07/18

仲築間卓蔵 (元日本テレビプロデューサー)

 TBS系ドラマ”日曜劇場”は、航空自衛隊肝いりの『空飛ぶ広報室』で、「ドラマのTBS]といわれていた名誉が一気に地に落ちてしまったが、名誉も回復しそうだ。『空飛ぶ…』の後に登場した『半沢直樹』がそれである。
  人の名前がタイトルというのは珍しい。どんなものかと観てみたが、初回から引き込まれてしまった。舞台は”銀行”である。銀行からの融資を断られて自殺に追い込まれた中小企業経営者の父親の姿を見て、半沢直樹は銀行に就職する。銀行内の”成果主義””出世主義”に直面することになる。どこにでもある会社内の”自己保身”である。堺雅人の演技がまた痛快である。
  父親と同じ運命をたどりそうな中小企業経営者。「銀行は”単なる金貸しではないか”」とする金融庁の役人。融資ミスを直樹の責任にして身を守ろうとする上司。・・・まるで時代劇を見ているような展開である。
  銀行の果たすべき「社会的責任」に迫る予感のドラマだ。毅然とした姿勢をどこまで貫いていくか・・・楽しみである。TBSさん。やればできるじゃありませんか。視聴率もいいのじゃないかと思いますが、どうですか?

 さて、終盤戦の参院選挙です。
  『半沢直樹』が銀行の社会的責任を追及していく(であろう)なかでの参院選ですが、9つもある政党は「国家的責任」を果たそうとしているのでしょうか。
  ぼくは神奈川在住ですから、神奈川の候補を見てみます。
  ◆自民党候補は、「国防軍創設の憲法改悪を推進。アンケートに「核武装を検討」と回答(毎日新聞)。消費税増税を推進。歯科医師にもかかわらず医療制度破壊につながるTPP推進です。
  ◆民主党候補は、「命を守りたい、健康を守りたい」といいながら、命と健康にもっとも悪い影響を及ぼす消費税増税、社会保障改悪を自公とともに合意・強行(「税と社会保障の一体改革」)。命にかかわる原発再稼働「NO」と言えない人です。
  ◆公明党候補は、自民党とともに消費税増税、改憲に賛成、原発再稼働と原発輸出を容認。このような肝心な問題には触れず、「政治の安定」をいうばかり。「政治の安定」は「独裁の定着」です。
  ◆みんなの党候補は、もともと自民党以上に社会保障切り下げや雇用ルールを破壊する規制緩和を推進。農業と医療制度、雇用破壊を招くTPP参加に賛成。改憲を公言し、自衛隊増強と日米同盟強化を推進する人物。
  ◆維新の党候補は、消費税増税、改憲、TPP、原発再稼働推進。橋下共同代表は「所得を増やす政治への転換」は「できるわけがない」と攻撃、「最低賃金制の廃止」まで主張しています。

 今後3年間、国政選挙はないといわれています。安倍政権の「暴走」に手を貸すこれらの党に「貴重な」一票を投じていいのでしょうか。
  ぼくが常に持ち歩いているポスターがあります。1930年前後のナチスのポスターです。「われわれの 最後の 希望 ヒトラー」と書いてあります。ドイツのその後は悲惨でした。このまま手を拱いていたらあの時代に立ち戻ることになる。
  都議選で日本共産党は倍増しました。東京は変わり始めるでしょう。こんどは国政の番です。
  歴史認識に決着をつけ、北東アジアのみならず、アジアに、世界に、信頼される「確固たる地位を」築いていきたい。日本共産党の躍進で、それを現実のものにしたい!。参院選は、誰のためでもない、あなたの、ぼくの、そして次世代につながる選択です。「あのとき、ああしておけばよかった」と後悔したくない!。






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