仲三野党の共同討論 成功裡に終わる築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(49)三野党の共同討論 成功裡に終わる09/08/01

 

 

三野党の共同討論 成功裡に終わる

仲築間 卓蔵(元日本テレビプロデユーサー)


 7月30日 プレスセンター
 マスコミ九条の会主催 「国民はどのような新政権を求めているか」
 民主党(藤田幸久参院議員)、日本共産党(仁比聡平参院議員)、社会民主党(又市征治参院議員)。国民新党は「人数が少なくて 人を割けない」という理由で欠席・
 討論者として辻井 喬(作家)、前田哲男(軍事問題評論家)
 コーディネーター・桂 敬一(マスコミ九条の会呼びかけ人、元東大教授)

 暑い最中でしたが、会場は満員。ありがとうございました。
 「勉強になった」「おもしろかった」という感想が多かった。
 詳しいことはマスコミ九条の会のホームページでご覧ください。当日はインターネット「スティッカム」でも中継されましたからご覧になった人がいるかもしれません。
 テレビ、新聞の取材も入っていました。どのように報じられたのでしょうか。

 民主党の藤田議員は、民主党内の良心派のようです。同党の外交政策のブレに悩んでいるようで、聞く方も辛かった。
 前田哲男さんは、「九条をどうするか問われていく」
 辻井 喬さんは、「”風”に乗るのは危うい。二大政党論に注意。中心理念は憲法」と締めくくっていました。

 マスコミ九条の会は、昨年、6回にわたって「日本はなぜ 対米従属を絶ちきれないか」の公開市民セミナーを。今年は6月6日、公開シンポジューム「米国はチェンジ 日本は9条」を開催してきました。今回の公開討論会は三度目の企画でした。

 最初のあいさつで、ぼくは「小泉劇場」を盛り上げたメディアの責任に触れ、今回の総選挙でも何らかの「劇場」がつくられる危険性を申し上げました。第一幕ともいえる「東国原劇場」は不発に終わりましたが、第二幕があるかもしれない。それは、自民分裂劇か、新党結成劇か。世界の歴史的転換期に、メディアが「大きな目標を見失わせてしまうかもしれないのです。注意していなければなりません。

 アメリカとの関係を見直すことは、国民生活に密接に関係していますよ。思いやり予算をいつまで続けるのですか。米軍基地移転費用を、なぜ負担しなければならないのですか。家計が苦しい主婦が「父ちゃん 飲み代を減らして家計にまわしてよ」というのと同じですよ。
 大企業だってそうです。辻井 喬さんは「企業はなんのために存在するのか。人間を幸せにするため」といっていました。
 メディアは、そんな視点で総選挙を報道してほしいですね。

 アメリカとの関係でいえば、アメリカの「憂慮する科学者同盟」の上級アナリスト、グレゴリー・カラーキさんのメッセージを紹介しましょう。
 「私達は今、重大な局面に立っています。オバマ政権の新しい核政策がつくられようとしているのです。
 米政府では、今年4月にプラハでオバマ大統領が力強く述べた提案や勧告、そして将来のビジョンをめぐって議論がおこなわれています。
 米政府内においては、大統領が示した米核政策の転換に反対を唱える人々が存在します。とりわけ国務省や国防総省、そして国家安全保障会議のアジア専門家から反対の声が上がっています。

 これらの人々が、米核態勢に求められている転換に反対する最大の理由が、日本政府が表明する「懸念」なのです。
 米国の新しい核兵器政策が決定するのは、今年9月あるいは10月です。残された時間はあとわずかです。

 日本のみなさんが知らなければならない重要なことがあります。それは、日本の外務省や防衛省で、外交・安保にかかわる官僚たちが、米国のカウンターパートに対し、「日本政府は米核政策の転換に反対だ」と訴えている事実です。

 米核政策の転換は、プラハ演説でオバマ大統領が述べたビジョンの実現に不可欠です。
 もし、オバマ大統領がプラハで訴えた米核政策の転換というビジョンが、人類の歴史上で唯一、格攻撃の犠牲となった国の政府の反対で、打ち砕かれるとしたら、それはまさに皮肉であり、悲劇にほかなりません。
 日本のみなさん。今こそ日本政府、そして米政府に向けて「わたしたちはオバマ大統領がプラハで示した米核政策の転換を支持します」と声を上げていくことが重要です。
 こうしたメッセージが、とりわけ米国務省、国防総省、そして国家安全保障会議のアジア専門家にきちんと伝えられることが、きわめて重要なのです」

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 新政権の重要な役割の一つは、「アメリカに きちんとモノがいえるかどうか」です。そんな勢力の議席を増やしたい。そんなことばかり考えている今日この頃なのです。