仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ−/連載「六日のあやめ 十日の菊」(37)「海外派兵恒久法」わかりやすいネーミング・どうする? 08/07/01
仲築間卓蔵
自民党は、自衛隊を常時海外派兵できる態勢をつくる「海外派兵恒久法」について、秋の臨時国会で成立させようとしているようです。新テロ特措法の期限切れは来年1月。7月にはイラク特措法が期限切れになりますが、この際、時限立法ではなくて恒久的に派兵できて、武器使用もできるようにようにしようというものです。
憲法九条を破壊するこのような法案を、自民党は「国際平和協力法」だといいます。中身を知らない人にとっては“耳障り”のいい名称かもしれません。どのようなネーミングにするかは、私たちにとっても重要です。99年に成立した「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」は、「盗聴法」と呼んで運動が広がりました。
70年代、弁護人が退廷しても裁判をすすめることができるとする刑事訴訟法の一部「改正」案が出された時は、『弁護人ぬき法案』と宣伝して廃案に追い込みました。検察側は「ネーミングに負けた」とこぼしていたといいます。
04年の「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」は、『共謀罪』(現在、継続審議になっていて予断は許されません)と呼ばれてたたかわれました。
さて、「海外派兵恒久法」ですが、元自由法曹団団長の坂本 修弁護士は「法案の正体を示す名称として、とりあえず、恒久海外派兵『参戦自由化法』ということにします」と。憲法会議の川村俊夫さんは、自衛隊海外派兵『武力行使自由化法』と表現し、東大教授の小森陽一さんは「この『参戦自由化法』あるいは『戦闘行為自由化法』の危険性をただちに多くの国民に知らせる必要があります」(新婦人しんぶん)と書いています。
新聞報道に詳しい桂敬一(元東大教授)さんは、『海外出兵自由化法』『米軍作戦行動協力法』などとして、「メディアは、読者、視聴者の覚醒を促すべきなのに、それをさぼっている」と指摘します。
ネーミングについてあれこれ話し合うことは、同時に「海外派兵恒久法」の中身を知ることになります。メディアも関心を示してほしいいものです。