仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ−/連載「六日のあやめ 十日の菊」(35)/ 「9条世界会議」と 日、韓、中ジャーナリストの「ざっくばらん交流会」の可能性 08/05/14


「9条世界会議」と 日、韓、中ジャーナリストの「ざっくばらん交流会」の可能性

 5月4日からはじまった「9条世界会議」は、 予想をはるかに超える成功をおさめた。

われわれ が参画した分科会『国際自主企画・憲法九条とメ ディア』の内容は、桂 敬一さんの報告に尽きる が、ここでは、この会議をインターネットで配信 した「スティッカム・ジャパン」の配信力を紹介 しよう。  

 

これは、メカに弱いぼくには“目からウロコ” の出来事であった。

東京新聞の鈴木賀津彦さんや 明治学院大学の吉原 功教授ゼミの学生が協力し て実現したものだ。

「中継」というと大袈裟な機 材を考えるが、「スティッカム」はカメラをはじめ としてすべてが軽量なのだ。

 吉原さんによれば、初日の生中継の閲覧者は 9,863、2日目6,482、3日目2,15 2。延べ23,388に達したという。

 中継はインタビューもふんだんにとり入れてい る。録画で見てみたら「ネット配信ですか?かっ こいい!」とカメラに寄ってくる若者。

「きれいな モデルさんも参加しています」とはしやぐ学生リ ポーター。「いま 時代は九条です」と胸を張る 若者。

「九条」に因んだアイディアグッズを次々 と紹介する夫婦などなど。それだけでも楽しくなる。  

  吉原ゼミの学生の感想は、「私は初めてこのよ うな趣旨のシンポジュームに参加した。(略)参 加者の比率が年輩の方が多い。これは意外でもあ った。9条を守ろう!という主張は、左翼的とい うか前衛的というか、新しいムーヴメントなのだ というイメージを勝手に抱いていたからだろう。

 しかし、意外に感じる根拠はないとすぐ思った。 やはり、戦争を実体験した人とそうでない人とで は、問題意識の点でも、行動に移す動機の強さに おいても、大きく差があるということだろう。

 

 な らば、この先は戦争を経験していない世代の行動 が重要になってくるということになる。(略)  

 まずは、今まで深く考えもしなかった戦争につ いて、9条について、思いを巡らせること。こう いった波が世界で起こっているのを知ること。こ れが必要である。

これらの手助けをするツールと してのメディア、そして、これからの私たちの発信 していく活動にますます興味が湧いた。自らの足 で出向き、自らの目で見ることの重要性を確信す ることもできたし、本当に有意義な一日であった」 (K、I 女性)。

 シンポジュームのあと、パネリスト、韓国記者協 会代表と実行委員会の懇談の場で、桂 敬一さん から「“東アジアの安全保障”をテーマに、日本、 韓国、北朝鮮、中国、台湾のジャーナリストと市 民が一堂に会して話し合えるような場をつくるこ との方が役に立つのではないか」という提案があ った。

 実は、シンポの前日、 韓国側の希望で隅田川の水上バスに乗ったのだが、 日の出桟橋に停泊中の客船を見て「あんな船の上 で日本、韓国、中国のジャーナリストの“ざっく ばらん交流会”ができれば」と思いつきを口にし たら、イ・ソンチョン元会長、キム・キョンホ会 長、ソン・ギホ副会長たちは「おもしろいですね」 と答えてくれた経過がある。

“思いつきから出た駒” ということもある。何らかの発展につながれば、 今回のシンポジュームはさらに意義を増すことに なるだろう。