仲築間卓蔵/連載「六日のあやめ 十日の菊」(29)
ボクシング・フライ級 世界戦をテレビ観戦した/07/10/12


  

 ボクシング・フライ級 世界戦をテレビ観戦した。チャンピオンの内藤大助 は33歳。挑戦者の亀田大 毅は18歳。

 内藤がボクシングをは じめたきっかけは“いじ め“だったという。27歳 で世界に挑戦したが、1回もたずにダウン。「日本の恥」と評されたという。

 一方の亀田は、ボクシング一家で育っている。一家のパフォーマンスは、なにかと話題になった。

 対戦結果は大差の判定でパフォーマンスの亀田 が負けた。思わず参院選の結果と比較してしまった。ルール違反の亀田と、強行採決を繰り返してきた自民・公明政権がダブって見えたのだ。 

 試合前の予想は(亀田の若さに分があるかなと思っていたが)圧倒的に内藤優位だった。彼は「国民の期待」という言葉を口にしていた。言ってみれば「民意」である。 

 視聴率は28%(ビデオ リサーチ調べ)。単純計算で2,800万人が観たことになる。多くの人がホッとしているのではなかろうか。そんな気がしている。

  TBSは、以前から亀田一家に肩入れしてきた。視聴率獲得とはいえ、その姿勢に批判がなかったわけではない。亀田が勝っていたらどうだったのだろうか。 

 幸か不幸か、大差で負けた。翌日の『朝ズバッ』は内藤選手一家を呼んで、かなりの時間を割いて勝利を讃えていた。TBSもホッとしているのではなかろうか。内藤選手の勝利でチャンネルイメージが上がったといっていいだろう。チャンネルイメージは予想を超えたところでつくられる。おかしなものである。

 内藤選手には申し訳ないが、「日本の恥」という言葉を引きあいに出させてもらう。沖縄戦での「集団自決」をめぐる教科書検定で沖縄では県民ぐるみのたたかいがおきた。

 教科書への政治介入に対する抗議である。「日本の恥」を世界に晒した。メディアは「11万人が集まった」ことは報道したが、「この際、集団自決問題を・・」という気概は見受けられなかった。

  「従軍慰安婦」問題もそうである。アメリカ下院が決議案の審議をはじめているとき、巨額の費用でロビイストを雇い、審議に影響を与えようとしてきた。また、自民・民主の議員44人が、6月14日付けワシントンポスト紙に、「この有料意見広告の目的は歴史的事 実を提供することである」として「従軍慰安婦」の強制性を否定した意見広告を載せた。これに対し、元「慰安婦」の女性は激しい憤りの声を上げている。海外からも批判された。ここでも「日本の恥」である。メディアは、歴史認識問題となるとなぜか及び腰になる。 

 そこで、報道現場の人が参加してくれればいいのだが、11月10日(土)13時30分から『いまなぜ日本軍“慰安婦”問題なのか』(東京堂書店6階)を開催する。講師は日本の戦争責任資料センターの研究事務局長・関東学院大学経済学部教授の林博史(はやしひろふみ)さんである。主催はマスコミ関連九条の会だが、歴史認識に関心のあるひとであれば(事前申込だが)誰でも歓迎である。発信の場の一つにな ればいいと思っている。

 ついでに宣伝させてもらえば、12月14日は『「忠臣蔵」と九条』という企画。たのしみにしてほしい。