仲築間卓蔵/連載「六日のあやめ 十日の菊」(28)自民総裁選 選挙管理内閣 

政界再編・・・/07/09/15


  
 

自民総裁選 選挙管理内閣 

政界再編・・・
       

政治が面白くなろうとしているときなのに
       メディアは何を伝えているのか

 各局が総裁候補を出演させて政策を語らせている。
 自民党は立会い演説会をやっている。
 国民にピンとくる政策は聞かれない。
 福田康夫内閣で決まりだろう。
誰がなるにせよ 選挙管理内閣になるだろう。

 安倍辞任劇で メディアは大騒ぎだった。「器ではなかった」「重責に耐えきれなかった」「相続税問題が引き金になった」など 見方はさまざまだが 「小泉改革路線」と「アメリカ追随路線」が行き詰まっていたことはたしかである。
 メディアの次の話題はお得意の「政局」だった。麻生か 額賀か 福田か
それとも小泉かで またまた大騒ぎだった。額賀が降りて 麻生 福田の決戦になっている。

小泉チルドレンに密着していた番組もあった。ぼくの友人は 銀座を歩いていて「小泉登板の是非」についてシ―ル投票をさせられたという。
「ちょうど100人目だったが 再登板反対が60%だった」という。多くは小泉改革路線なんか真っ平とおもっているのだ。
 あるワイドショーで俳優のコメンテーターは「福祉がスポイルされている。小泉の“負”の部分の解決が大事」「税金のムダ使いをなくす会で
もつくったらどうか」という。下手なコメンテーター顔負けの視聴者目線の発言である。

小泉チルドレンの一人の片山さつきという議員が 再登板を要請にいっ
たときのことを話していた。「きみたちも心配症だな。まだ早いよ」とい
ったという。
 このコメントを ぼくは結構意味のある発言と受けとめた。小泉なりに予測される「政界再編」を見据えてのことだろう。
次の総選挙は あくまでも「アメリカ追随」「改革継続」か それとも「アメリカ追随からの脱却」「改革という名の国民生活無視路線の転換」かこの国の今後を決めるかつてない重要なものになるはずである。

 誤解をおそれずに言えば 小泉党対小沢党である。「小沢にアメリカからの自立なんてできるわけがない」「政権をとることが目的」という人もいるだろう。たしかに彼は憲法改正論者である。これまでにも新党をつくったり潰したりてきた。しかし 参院選の結果はご存じのとおりである。普通の人間なら この民意は重く受け止めるはずである。買いかぶりかもしれないが 「きのうと違うの ボク」だと思えるのだ。

 そこでメディアである。
政局論争は「床屋政談」としてはおもしろい。だが その先の 日本のあるべき姿を見据えてもらいたい。憲法九条をどうするのか アメリカとの関係をどうするのか、これまでの改革路線のま
までいいのか 声高に叫べば 反映する時期をむかえているのではないか。
 一つの例がNHK『ETV2000』である。
NHKは番組終了を考えているという。評価の高い番組を なぜ止めよういうのか。まだ自民党に気を遣っているのだろうか。「風」をよんで調子に乗っていうのではないが 自民党には 番組終了を評価する暇も気力もなくなっている。ものなんていないのではないか。毅然と 番組継続すればいい。視聴者の信頼回復の一歩になるはずである。

ここにきて 政治風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」が番組に登場するようになった。一時人気を得ていたコント集団だったが 突然 番組は使わなくなった。痛烈な風刺を きっと(自主規制で)嫌ったことがあるのだ。
 彼らは 各種の集会でその才能を発揮していた。番組は見向きもしなかったが ここにきて再登場である。これはいいことである。政権に対する気遣いや遠慮が緩んできている。メディアの本来の役割を やっと果たしはじめたといっていい。ぜひ 長続きしてほしいものである。

 これから予想される政界再編は 単なる政権交替でない 国民本位の政冶になる第一歩になるかもしれない。影響を与えるのはメディアでありたしかな勢力の発言ということになる。
 政治はおもしろくなった。よりましな政治を一歩一歩前へ進めさせるために メディアものびのびと 面白がってみてはどうだろうか。