仲築間卓蔵/連載「六日のあやめ 十日の菊」(23) /納豆ダイエット」の“ウソ”報道と 改憲手続き法 /07/02/06
「納豆ダイエット」のウソ報道は 起きるべくして起きた事件だ。
言い古された言葉なのであらためて言いたくはないけれど 「視聴率競争」を避けてとおるわけにはいかない。
この番組の視聴率は14.5%だった。
プライムタイムは(ゴールデンタイム)は15%とれば一応合格点といわれているから 視聴率的にはまあまあだったといえる。
このところ フジテレビの視聴率は好調のようだ。
視聴率が悪ければ 「なんとかしろ!」「なんとかしなければ!」と局の上から下まで大騒ぎする。「(刑務所の)塀のなかにさえ落ちなければ何をやってもいい」といった幹部までいたほどだ。その結果 「視聴率買収」事件までおきた。
視聴率がいいと こんどはそれを守ろうという作用がはたらく。
一度インチキに手を染めて なまじ視聴率をとってしまうと さらにエスカレートしてしまう。お笑いタレントが過激なギャグがうけると さらに過激になるに似ている。
関西テレビはその例である。
視聴率競争そのものを「悪」というわけにはいかないが 前編「ウソ」だったというのだから 許されるわけがない。
テレビ局の周辺には「タイアップ専門」の会社がある。
商品のデータからコメントする学者の名前まで揃えて持ち込んでくる。
担当者がその気になれば そのデータを鵜呑みにして番組にすることだってできる。
しかも「協力費」まで用意されている。
そうでなくても「制作費のゼロシーリング」に悩まされている番組は ついこころが動いてしまう。
関西テレビの下請けの日本テレワークという会社が その関連会社に制作委託したという。
きっと制作費は削られていたのだろう。
と ここまでは善意に解釈できるとしても どうやらそうでもなさそうだ。
なぜか 「納豆」だけでなく 「レタスで快眠」とか「味噌汁ダイエット」など過去にも多くのウソをやっていたのだから。
タイアップは魅力のようだ。正規のCMより格安で宣伝できる。
健康食品を定期的に扱っている番組には 時として営業担当から「とりあげる商品のリストを教えてほしい」と言われるようだ。関連するスポンサーに情報を提供して「サービス」できるのだろう。
考査担当が目を光らせても どこまでが正規の取材でどこまでがタイアップなのか境界線がない。「大丈夫なのか?」とまでは言えるが それ以上の権限はない。
考査担当に言わせれば「要はプロデューサーの“個”の問題だ」という。
チェック体制を強めてもできることではないのだ。
不二家だって気が付いていたのは現場だった。
雪印の時も現場からの指摘があったのに 封じてしまった。
そして会社そのものが危機に陥った。
テレビ局は「言論の府」でもある。
そのテレビ局の現場に言論の自由はあるのだろうか ない。
おかしいことは「おかしい」と言い合えるしょくばでなければならない。
勇気アルある一人を守るために労働組合だってあるはずなのだ。
自分たちの「商品」を良くするためなのだから 堂々とモノを言えばいい。
「改憲手続き法」についてはどうか
死に体になったといわれている安倍内閣は 憲法を変えるための手続法を5月3日までに成立させたいという。
この法案は 憲法九条を「カネの力で変える」というものだ。
有料CMを これでもかこれでもかと全国に流すことで視聴者を洗脳しようというものだ。
なのに なぜかテレビの報道は目を向けようとしていない。
「納豆ダイエット」のウソの数百倍の力で視聴者をその気にさせようとしている。
この際 あらためて「改憲手続き法」についても思いをいたしてほしい。