小中陽太郎/作家/二つの「九条の会」発足―神を信ずる者も信じない者もー06/03/01


 

二つの「九条の会」発足

  ―神を信ずる者も信じない者もー小中陽太郎(作家)

全国の町まちに澎湃と広がる「9条の会」だが、私が特に注目し、大事だとおもうのは、市民と宗教者の協力で、政党関係、労働組合とのつながりが生まれてきたことである。

 この2月25日(土)にも、横浜市の「港南台9条の会」の発足式が、港南台と洋光台の中間に位置する日本キリスト教団港南台教会で開かれ、120名の市民があつまった。ここにいたるには、市民が手分けして何千枚のチラシを配ったそうだ。その割り当て表を見て頭が下がった。立川のビラ配り有罪という逆風の中で、日ごろの市民との交流がなければできることではない。私もお話したが、そのあとはコカリナの演奏や発言が続いた。発言の中には、卒業式シーズンに緊急の問題である「君が代、日の丸の押し付けにたいする反対」の声も上がった。これは教会と教職員の先生、父母がともに共同で戦えるテーマではないか。活動提案は柳沢辰雄さんだった。教会の秋吉隆雄牧師がはじめてひろい会堂を開放した。教会が市民に場所を開くことは、活動の広がりに役立つだろうし、教会にとっても視野の広がることだ。しかしどこでもそうとは限らない。しかし志はどこにでもあるはずだ。

こんなことを言うのは、昨年11月に国分寺公会堂で700人の人を集めた小金井9条の会でも、政治にかかわることを懸念して、キリスト者が呼びかけても必ずしも応じては下さらなかったからである。そこへいま、その小金井の成尾南穂子さんから「9条の会・こがねいニュース」が届き、毎月9の日に武蔵小金井で署名活動を行いつづけ、2月にも、寒風の中550枚を渡しきった、とある。発足に招かれたものとして、まるで赤ちゃんがすくすくと育っているような気持になった。この間の永田町の野党第1党の混迷をみるにつけ、市民が広く手を取り、自分の足と手をつかって呼びかけていくことがこの逆風を跳ね返す芽である。そうすればやがて春の日に大きく育つだろう。